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粉瘤って何?|四ツ谷駅すぐ|よつや駅前クリニック 内科と皮膚科・形成外科

粉瘤って何?

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『よつや駅前クリニック 内科と皮膚科・形成外科』の尾島洋介です。

本日は【粉瘤(アテローム)】についてお話ししようと思います。

 

1. 粉瘤(アテローム)とは

 

【粉瘤(アテローム)】というものを聞いたことがありますでしょうか。聞き慣れないかもしれないですが、実はかなりメジャーな疾患なので、「できたことがある!」という方もいらっしゃるかもしれません。

粉瘤は皮膚の下にできる良性腫瘍です。「腫瘍」と聞くとえっと驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、我々は「できもの」のことを「腫瘍」と呼びますので安心してください。ホクロも良性腫瘍に分類されることをお話しするとホッとされるかもしれません。

 

2. 粉瘤の病態、症状

 

粉瘤とは皮膚の下に袋状のできものができる疾患で、外から見るとプクっと膨れたできものとなります。袋の中には角質や皮脂などが詰まっていて、典型的な例では袋の開口部が黒い点として見えることがあります(コメド)。

できる場所は顔や背中、足の付け根等、どこにでもできます。よく「不潔にしていたからできてしまったのですか?」とか「油っぽいものを食べすぎたからでしょうか?」と原因について聞かれることが多いです。まれに怪我や手術が原因でできることもありますが、ほとんどのケースは原因が不明であり、体質によってできやすい方がいらっしゃると言われています。

粉瘤には独特な悪臭があり、臭いで粉瘤に気がつかれる方もいらっしゃいます。むにゅっと押し出すとコメドから臭い内容物が出てくることがあります(袋が皮膚の下で破れたり、化膿してしまったりする原因となりますので、押し出すことは避けてください)。

粉瘤自体には基本的には痛みはありませんが、菌がついて化膿してしまうと腫れて痛みが出ます。痛みがないが故に放置してしまい、とても大きくなってからクリニックにいらっしゃる方や、化膿してしまってから受診される方も多くいらっしゃいます。

 

3. 粉瘤の治療について

 

粉瘤は自然にはなくなりません。根本的に解決するには袋状のできものを取り除く手術が必要になります。ただし、炎症が起こっている場合は袋を全て取り除けないことがありますので、異なる処置が必要になります。

粉瘤の場所と大きさによりますが、ほとんどのケースでは局所麻酔で手術を行うことになります。歯医者さんで使う麻酔と同じですので、起きている状態での手術で、「触っているのは分かるけれども痛くない」という状態で手術を行います。いくつかの術式がありますので、ご説明いたします。

 

4. 通常の摘出術

 

少しでも術後のキズが目立たないように、もともとある皮膚の皺線に沿って切開する線を紡錘形にデザインします。局所麻酔をした後に粉瘤を周囲の組織から丁寧に剥がして摘出します。キズは目立たないような工夫をしながら形成外科的な丁寧な縫合を行い閉鎖します。抜糸は通常1〜2週間程度で行います。摘出したものは病理検査という顕微鏡の検査に提出し、本当に粉瘤であったのか、別のものではなかったか、悪性のものではないか、といったことを調べます。

 

5. くり抜き法

 

局所麻酔の後に粉瘤の上に小さな穴を開けて、そこから袋を丁寧に取り出す方法です。袋を取り出した穴はそのまま収縮するのを待つか数針縫って閉じます。抜糸する場合は通常1〜2程度で行います。傷跡が小さくて済むというメリットがありますが、デメリットとしては袋が一部残ってしまう可能性(そこから再発する可能性)が通常の摘出術よりも高いといったことや、万一粉瘤でなかった場合は途中で別の術式に変更することが必要になる可能性がある、といったことが挙げられます。

 

6. 切開排膿(感染してしまった場合)

 

粉瘤が感染してしまった場合(化膿してしまった場合)、赤く腫れて痛みが出ます。この場合は出血しやすかったり、袋状のできものの境界が分かりにくかったりしますので、基本的には全てをしっかりと摘出することができません(くり抜き法で袋を取り出すこともありますが、取り残し・再発のリスクはより上がります)。このような場合は一旦切開して中の膿を出し、まずは炎症を落ち着けることになります。炎症を落ち着けて傷が塞がったのち、二期的に袋を取り出すことで根治を目指します。

 

7. 当院の治療の流れ

 

  • 初診時:視診、触診で皮膚のできもの(腫瘤)の診察を行います。

    必要に応じて超音波検査(エコー検査)等を行う場合があります。

    手術を行うと決められた場合は感染症チェックの採血を行います

  • 手術当日:局所麻酔を使って手術を行います。

    リラックスして手術を受けていただきます。

    麻酔の時間や準備・退室を合わせると20-30分の時間となります。

    形成外科的な縫合を行いますので、傷跡は目立ちにくくなります。

    麻酔が切れた後も激痛を訴えられる方はほとんどいませんが、

    抗菌薬と鎮痛剤の処方を行います。

  • 手術翌日(翌々日);創部のチェックを行います。

    問題なければシャワー浴可となり、ご自身での処置が始まります。

  • 抜糸日:術後1-2週間で抜糸を行います。

    キズを綺麗に治すため、術後テーピングを行います(部位・術式による)。

    病理結果が出ていればご説明します。結果がまだ返ってきていない時は、

    日を改めて病理結果のご説明を行います。

 

手術の時、多くの方がとても緊張して手術室に入られますが、出る時にはケロッと出てこられる方がほとんどです。少しでも不安を取り除いて手術に臨めるよう、お声がけをさせていただいています。

※)手術は局所麻酔で行います。紡錘形に切除して丁寧に縫合します。

 

当院はJR中央線・総武線四ツ谷駅もしくは東京メトロ丸ノ内線・南北線四ツ谷駅から徒歩2分で19時まで診療を行なっておりますので、比較的受診しやすいかと思います。皮膚にできものができてしまった、という方は是非お気軽にご相談ください。