シミ・そばかす・肝斑(かんぱん)
シミは肌の内部で部分的にメラニン色素が周囲皮膚よりも増加している状態、と考えられます。紫外線が主な原因で老化現象(光老化)として現れる「老人性色素斑」、幼少期から思春期に鼻や両頬を中心に出てくる遺伝性の「そばかす(雀卵斑/じゃくらんはん)」、ホルモンバランスの崩れにより目の下から両頬に褐色の色素斑ができる「肝斑(かんぱん)」、にきびや化粧かぶれ、やけどなどの傷が跡になった「炎症後色素沈着」など、原因や種類は様々です。シミは、その方の肌質や生活スタイルを踏まえて治療する必要があります。治療法はレーザーなどの機械治療の他にもレチノイン酸やハイドロキノンなどの外用薬、内服治療や生活指導など幅広く考慮する必要がありますので、是非一度ご相談ください。
ほくろ
ほくろは良性腫瘍の一種で、母斑細胞が集まって形成され、メラニン色素により黒色あるいは褐色調に見えます。大きさや存在部位、形などを考慮し、どのように治療を行えばきれいに治るかを検討します。形成外科的に切除し縫合した方がきれいである場合もあれば、CO2(炭酸ガス)レーザーで除去した方がきれいである場合もあります。当院ではいずれの選択肢も取ることが可能です。悪性の疑いがあり、病理学的な検討が必要な場合はレーザー治療より切除が勧められることもあります。対象となる病変の特徴を把握し、ベストと思われる治療法をご提案いたします。
シワ・ほうれい線、たるみ
シワやほうれい線は皮膚表面だけではなく、皮下組織(皮下脂肪)、筋肉、骨などの皮膚内部の構造が、立体的に変化することで生じます。シワの分類法は種々ありますが、「キメ」「小ジワ」「シワ」「大ジワ」「たるみ」と考えるのが臨床的には分かりやすく、部位と性状を勘案して治療法を検討します。皮膚内部の構造や機能を理解したうえで、原因を見極めないと適切な治療が提供できません。
シワの3大要因として知られているのが「紫外線」「加齢」「乾燥」です。その他にも喫煙やストレスなどの環境要因も挙げられます。これらの影響を受けて膠原線維(コラーゲン)や弾性線維(エラスチン)の密度が減少し、さらに糖化や酸化による架橋構造などの変性が生じると線維成分が乱れてシワを形成してしまいます。
対応策としては紫外線防御、保湿ケアが基本となり、毎日の習慣を見直すことがシワ予防の第一歩となります。美容皮膚科の治療としては、ほうれい線、額、眉間、目尻などに対してシワ取り注射が行われています(静的なシワ:ヒアルロン注射、動的なシワ:ボトックス注射等)。また、フラクショナルレーザー治療やマイクロニードリング治療が有効な場合もあります。
たるみは、皮膚や皮下組織、筋層、骨など全ての層の変化により総合的に生じる変化と考えられています。単一の変化ではなく、シワとも関連が深いため、種々を総合的に評価していく必要があります。
病態は大まかには2つに大別されます。下垂による変形・弛緩によるものと萎縮による体積の変化、です。それぞれの原因にアプローチし、病態に応じた適切な治療を選択していくことになります。治療法は注射療法やレーザー、外科的治療などがあります。ひとりひとりに合った治療法をご提案しますので、ぜひご相談ください。
にきび・にきび跡
思春期にできるにきびは、皮脂の分泌が増加し毛穴がつまることから始まり、アクネ菌が増殖することで炎症を起こし悪化していきます。大人のにきびは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいといった特徴があります。
にきびの症状や肌質は、ひとりひとり異なり、それによって処置や治療の組み合わせも変わります。急性炎症期から維持期のにきびについては、にきびの種類と重症度を判断し、外用薬(レチノイド、過酸化ベンゾイル製剤、抗生物質、ピーリング剤など)、内服薬(抗生物質、ビタミン剤、漢方薬など)、時に外科的治療(レーザー、切開排膿)等を行います。普段のスキンケアも非常に大切ですので、個々の肌環境に合ったスキンケア方法も提案いたします。
また、にきび跡に悩まれている方もとても多く、赤みや色素沈着といった色みの悩みから、患部が陥没してできる瘢痕(凹凸)のお悩みまで様々です。美容皮膚科では保険診療にはない施術や薬も受けられますので、患者様の満足度を高める治療を提供することが可能です。にきびの治療はもちろん、にきび跡の改善まで、患者様に寄り添いながらサポートしていきます。お気軽にご相談ください。