かぜ
かぜは正式には「かぜ症候群」といい、ウイルスの感染によって炎症を起こし、その部位によってくしゃみ、鼻水、咳、痰、咽頭痛、発熱、頭痛、倦怠感といった様々な症状を引き起こします。症状は比較的軽いことが多く、しっかり休養をとれば数日で軽快することが多いですが、中にはかぜだと思っていたら肺炎やぜんそく、髄膜炎といった重症な状態や、インフルエンザウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症といった他の人に容易にうつる感染症だったということもあります。自分で無理して判断せず、少しでもおかしいなと感じたら受診することをお勧めします。
胃腸炎
何らかの原因で胃や腸に炎症が起き、嘔吐、下痢、腹痛、発熱を引き起こす疾患です。
その多くが感染性胃腸炎といい、ウイルスや細菌が胃や腸に感染することによって症状を引き起こします。様々なウイルスや細菌、寄生虫などが原因となり得ますが、原因となるウイルスや細菌が住む食品や水を摂取することで感染します。また、人から人へうつりやすく、症状がある人とトイレや食器、タオルを共有するだけで容易に感染することがあります。多くは数日で軽快し、重症化することはまれですが、嘔吐や下痢、発熱により脱水になってしまい、これにより症状が長引いたり、全身の状態が悪化してしまったりすることがたびたびあります。
他にも、炎症性腸疾患やストレス性のものなど、様々な原因が考えられます。原因によって治療方針が異なってきますので、きちんと診断をつけることが重要です。
アレルギー
私たちの身体には、病気を引き起こさないよう、異物を排除して体内に入れないようにする仕組みがあります。これを免疫というのですが、ときにある特定の異物(花粉、ハウスダスト、特定の植物や動物の毛、食べ物など)に対して免疫が働き過ぎて暴走してしまい、何かしらの症状が出てしまうことがあります。これを総称してアレルギー(アレルギー反応)といいます。具体的には、症状が出る身体の部位や原因物質によって、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギー、薬剤アレルギー、金属アレルギーなどがあります。多くは小児期に発症し、成人すると症状が和らぐ人が多いですが、逆に成人してから発症したり、成人してからもずっと症状とつきあっていかなければならない人もいます。また、中には症状が重篤で、発作を起こすと命に関わる人もいます。アレルギーは、「好き嫌い」の問題でもなければ、「慣れ」の問題でもありません。ご自身が何のアレルギーなのかをきちんと把握し、日常生活の中できちんと対処していくことが重要です。
膀胱炎
ある日突然、トイレに行ったときに「尿が出きらない感じ(残尿感)がある」「トイレが近い(頻尿)」「排尿した時に、尿が出るところがツンと痛い(排尿時痛)」「尿が赤い(血尿)」といった症状が出た経験はありませんか?それは膀胱炎かもしれません。膀胱炎は、主に細菌の感染による膀胱(尿を貯めておく臓器)の炎症で、特に女性に多い疾患です。抗生物質による治療により数日で完治することがほとんどですが、中には膀胱の上の腎臓にまで細菌が及び、高熱が出てしまうことがあります。そこから血流に乗って細菌が全身を巡ってしまうと更に重症化してしまうので、あなどれない疾患です。人によっては何度も繰り返す人もいますので、必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
便秘症・不眠症
この2つは全く違う症状ですが、2つとも生活習慣をただすことが治療上重要であること、薬の使い方には注意しなければいけないということは共通しています。
便秘症や不眠症を改善するには、まずは規則的な生活リズムを作ること、睡眠不足や疲れといったストレスを避けること、3食バランス良く食事を摂り、適度に運動することが非常に重要です。薬を使って便が出るようにしたり、眠れるようにしたりすることは簡単ですが、それでは根本解決になりません。薬も注意して使わないと、薬によってはだんだん効かなくなってしまったり、依存性があって薬をやめられずに量ばかり増えていってしまったりする方もおられます。最近では便秘症や不眠症に対する新しい薬も開発されてきていて、なるべく依存性がなく、身体への負担が少ない薬が増えてきています。当院ではまずは生活習慣のサポートからお手伝いし、場合によって患者様おひとりおひとりにとって適切な治療を提案します。また、専門科の受診が必要と判断した場合には、必要に応じて専門科をご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。